【転職活動に役立つ?ニュースかんたん解説】東京23区の物価、3月は前年比2.4%上昇

経済ニュース解説

ニュースのかんたんな解説: 東京23区の3月の消費者物価指数(※生鮮食品を除く総合指数)は、前年同月比で2.4%上昇しました​newsdig.tbs.co.jp。物価上昇の中心は食料品で、特にお米など「コメ類」の価格が前年より約89.6%も上がっていますnewsdig.tbs.co.jp。コメの価格上昇率は1971年以来の高い水準で、2年前の猛暑で流通量が減ったことをきっかけに価格高騰が続いているといいますnewsdig.tbs.co.jp。また、生鮮食品以外の食料全体が5%以上値上がりするなど、食品の値上がりが全体の物価を押し上げています。エネルギー価格は政府の補助金もあって抑えられつつありますが、それでも前年比+6.1%と高めです​bloomberg.co.jp。これらの結果、物価上昇率は前月(2月)よりも拡大し、日銀が目標とする+2%を上回る状態が5か月連続で続いていますbloomberg.co.jp

背景にある世の中の動き(潮流)

日本の物価が上がっている背景には、いくつかの潮流があります。まず世界的なインフレ(物価上昇)の波及です。コロナ禍からの経済回復やウクライナ情勢によるエネルギー・原材料高で、アメリカやヨーロッパを中心にここ数年インフレ率が急上昇しました。日本でも例外ではなく、円安(円の価値下落で輸入品が割高に)や資源価格の高騰により、2022年頃からジワジワと物価が上がり始めました。また国内要因では、近年の異常気象(猛暑や不作)で野菜やお米など食料品の供給が減り、価格が跳ね上がるケースが出ています。政府はガソリンや電気代などエネルギー分野に補助金を投入して急激な値上がりを抑えていますが、それでも食料品を中心に「生活必需品が軒並み値上げ」という状況です。長らくデフレで低物価が当たり前だった日本ですが、ここにきてインフレ時代への転換期に差し掛かっているとも言えます。その一方で、大企業を中心に今年の春闘で賃金アップ**の動きも強まっています。物価高を受けて多くの企業が給与ベースアップやボーナス増を打ち出しており、これも今後の物価に影響を与える可能性があります(賃金が上がれば消費が増えてさらに物価が上がる、という好循環になるか注視されています)。

私たちへの影響や気づき

身近な生活では、食料品や日用品の値上げを実感している方も多いでしょう。購買力(同じお金で買える量)が目減りするインフレ下では、転職活動でも給与水準に注目することが大切です。例えば「昨年より〇%給与が増えたとしても、それ以上に物価が上がっていれば実質的な生活は楽にならない」ことになります。転職先を選ぶ際には、その企業が物価上昇に対応して社員の給与を適切に見直しているか、などもチェックポイントかもしれません。特に食費やエネルギーコストが増えると可処分所得が減るので、交渉の際は希望年収をやや高めに設定するなどインフレ分を見込んでおくと良いでしょう。また、物価高に対応して各企業が価格転嫁やコスト削減を迫られている状況でもあります。そうした中で利益を維持・成長させている企業は体力や競争力がある証拠とも言えます。つまり、「物価高の中でも業績を伸ばせているか」は応募先企業の見極めポイントになります。ニュースを通じて物価動向を押さえておくことで、面接で経済の話題になったときに「実は最近○○の値段がこれだけ上がっていて~」と具体例を交えて語れると、ビジネス感度の高いアピールにつながるでしょう。

この記事を書いた人
jobchange_researcher

早稲田大学卒|証券→銀行→小売→金融
新卒で何となく大手証券会社に就職し、支店勤務、本社勤務を経て40歳で初めての転職を経験。その後もう一度転職を経験し現在の会社に至る。転職活動で100回以上の面接を受けており、その経験から悔いのない面接の在り方を研究。また、周囲の転職経験者へのヒアリングや複数のエージェント、ヘッドハンターとのコミュニケーションにより転職市場動向や面接のコツなどを徹底分析。なお、キャリア採用のマネージャーも務め100人以上の希望者と面接を実施しており、採用者側、求職者側両面からの多角的な解説を行っている。

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