転職面接100回経験者が教える「落ちない人」の5つの共通点

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100回超の面接経験から見えた「選ばれる人」の秘訣

こんにちは。多様な業界で、面接をする側・される側として100回以上の面接を経験しました。業界が違えど「次のステップに進んでほしい」と感じる人には共通点があります。今回はその「落ちない人」の5つの共通点を、具体的に深掘りしてお伝えします。転職活動の参考にしてください。

採用担当が「会ってよかった」と思う第一印象とは

面接は最初の数分で印象が決まる「初頭効果」が働きます。ポジティブな第一印象は非常に重要です。

まず基本は「清潔感」。これは相手への敬意、TPO、自己管理能力の表れです。スーツやシャツのシワ・汚れ、靴、髪、爪までチェックしましょう。カバンや持ち物も意外と見られています。オンライン面接でも服装と整理された背景は必須です。

次に、挨拶・表情・態度。入室時や接続時に、明るくハキハキ「よろしくお願いします」と挨拶し、自然な笑顔を添えましょう。緊張しても口角を上げるだけで前向きに見えます。背筋を伸ばし、相手の目を見て話す姿勢、適度な相槌や頷きも、「話をしっかり聞いている」サインとして大切です。これらは基本的なビジネスマナーであり、コミュニケーション能力の基礎です。

加えて、時間管理も重要。面接には5分前到着を心がけましょう。遅刻はもちろん、早すぎる到着も配慮に欠ける場合があります。

清潔感、明るい表情と挨拶、適切な姿勢と態度、時間管理。これらが組み合わさり、「信頼できそう」「一緒に働きたい」という第一印象が作られます。

一次面接はオンラインが増えていますが、基本的には対面と同じことが言えるでしょう。

面接官が見抜く“本音と建前”の使い分け

面接では正直さが基本ですが、伝え方には戦略が必要です。「本音」と「建前」のバランスが重要になります。

経歴やスキルでの嘘は絶対にNG。後で露見すれば信用を失います。特に退職理由や弱みは正直さが問われますが、ネガティブな理由は前向きな視点を加えて伝えましょう。「上司と合わず」ではなく「チームで目標達成を目指せる環境で働きたい」のように。弱みも「〇〇が苦手」で終わらず、「克服のため△△している」と具体的な改善策とセットで話せば、自己認識と成長意欲を示せます。

一方で、本音をストレートに伝えすぎるのも問題です。前の職場の批判や愚痴、待遇面の話ばかりでは、意欲や適応力を疑われます。企業研究に基づき、「なぜこの会社か」「どう貢献できるか」といった仕事内容や企業文化への共感、貢献意欲を具体的に語ることが求められます。

要は、嘘ではなく「事実のどの側面を、どう表現するか」です。面接官は話の内容、話し方、一貫性から信頼性や相性を見ています。正直さを基盤に、相手の視点を意識したコミュニケーションを心がけ、企業理念や求める人物像と自分の価値観を結びつけて話せると説得力が増します。

ストーリーで語る職歴が強い理由

職務経歴書だけでは伝わらないプロセスや人となりは、面接で「ストーリー」として語ると効果的です。感情に響き、記憶に残りやすく、あなたの価値を深く印象付けられます。

有効なフレームワークが「STARメソッド」です。

  • Situation(状況): どんな背景・状況か
  • Task(課題): 目標や課題は何か
  • Action(行動): 具体的に何をしたか
  • Result(結果): どうなったか(可能なら数値で)

このフレームワークで、「(Situation)担当エリアのシェアが低下傾向。(Task)3ヶ月で5%回復が目標。(Action)顧客ヒアリングに基づき提案資料を作成し訪問増。開発チームにFBし改善。(Result)目標達成し追加発注も獲得」のように語れば、具体的なスキルが明確に伝わります。

ストーリーは、応募企業の求める人物像や職務内容に関連するものを選びましょう。企業研究で「求められる経験」を把握し、最もアピールになるエピソードをSTARで整理。具体的な数字や事実を盛り込むと説得力が増します。成功体験だけでなく、失敗からの学びや困難を乗り越えた経験も有効です。熱意を込めて語りましょう。

面接の最後に差がつく「逆質問」の極意

面接終盤の「何か質問は?」は、最後のアピールチャンス。「特にありません」は意欲不足と見られかねません。

逆質問は、企業への関心と意欲を示し、疑問を解消してミスマッチを防ぎ、リアルな情報を得て、自身の視点や思考力をアピールする目的があります。

避けるべきNG質問は、調べればわかること、待遇面の話ばかり、Yes/Noで終わる質問、ネガティブな前提の質問などです。

効果的な質問は、入社後の活躍や成長をイメージさせるものです。

  • 入社後を見据えた質問: (例:「入社までに学んでおくべきことは?」「部署の現在の課題は?」)
  • 企業や事業の成長に関する質問: (例:「中期計画の〇〇達成に向けた現場の取り組みは?」「今後注力する事業分野は?」)
  • 働く人や社風に関する質問: (例:「面接官の方が面白いと感じる瞬間は?」「活躍する方の共通点は?」)
  • 自己成長やキャリアパスに関する質問: (例:「若手社員のスキルアップ方法は?」「希望するキャリアパスは実現可能か?」)

これらの質問は、企業で働くことを真剣に考え、深く理解しようとする姿勢を示します。「〇〇様のお話を伺い、△△に興味を持ったのですが…」のように背景を添えると丁寧です。事前に企業研究を行い、自分ならではの質問を3つ程度準備しておきましょう。最後のチャンスを活かし、熱意とポテンシャルを印象づけてください。

まとめ

ここまで面接で「落ちない人」の共通点を解説しました。テクニックの実践で通過率は向上するはずです。

しかし、それでも面接には理屈で説明できない「ご縁」「タイミング」「相性」が大きく影響します。企業の求める人物像は常に変化し、スキルがあってもタイミングが合わなければ採用に至らないことも。面接官との「フィーリング」も無視できません。

採用側として「スキルは良いけどチームに合うか?」「経験は少し足りないが人柄が良い」と感じることは多々ありました。スキルと同等以上に「一緒に働きたいか」「組織に良い影響を与えるか」という感覚的な部分が重視されることも少なくないのです。

ですから、不採用でもあなたの能力が否定されたわけではありません。単にタイミングや相性が合わなかった可能性も大いにあります。反省は次に活かしつつ、必要以上に落ち込む必要はありません。人気企業なら応募者も多く、選ばれるのは僅かです。

転職活動で最も大切なのは、自分を偽らず、正直に、自分の言葉で熱意を伝えること。そして、うまくいかなくても「今回はご縁がなかった」と前向きに捉え、次に進むしなやかさを持つことだと思います。

転職活動は時に負担が大きいですが、諦めなければ、あなたを評価し必要としてくれる会社は必ず見つかります。ポイントを参考にしつつ、気負いすぎず、あなたらしさを大切に、自信を持って臨んでください。

参考サイト

  1. 面接の第一印象は6秒で決まる! 好印象を与えるマナー・服装・髪型: https://mynavi-agent.jp/tenshoku-knowhow/knowhow/mensetsu-daiichiinshou.html
  2. メラビアンの法則とは?意味やビジネスでの活用例をわかりやすく解説: https://www.kaonavi.jp/dictionary/merabiannohousoku/
  3. 面接での退職理由の伝え方例文集|ネガティブな理由の場合や答える際のポイントも解説: https://doda.jp/guide/reason/
  4. 【面接対策】「弱み」を聞かれた時の答え方とは?(回答例・NG例付き): https://next.rikunabi.com/tenshoku_guide/docs/post_12.html
  5. 【例文あり】面接で職務経歴(職歴)を効果的に伝えるには?「自己紹介」「自己PR」との違いも解説: https://js01.jposting.net/library/knowhow/interview/career/
  6. 面接で必須のSTAR(スター)法とは? 概要と回答例文、準備のポイント: https://jp.indeed.com/career-advice/interviewing/star-interview-method
  7. 【面接対策】逆質問で好印象を与える質問例・NG例、質問がない場合の対処法: https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/mensetsu/gyakushitsumon
  8. 面接で「何か質問はありますか?」逆質問の意図と回答例・NG例【一覧付】: https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/11805/
  9. 面接官が見ているポイントとは?評価される人材になるために: https://www.r-agent.com/guide/article6233/
  10. 面接に落ちる理由とは?考えられる原因や合格フラグ・不合格フラグも紹介: https://www.type-転職エージェント.jp/knowhow/interview/column/reason-for-fail.html

この記事を書いた人
jobchange_researcher

早稲田大学卒|証券→銀行→小売→金融
新卒で何となく大手証券会社に就職し、支店勤務、本社勤務を経て40歳で初めての転職を経験。その後もう一度転職を経験し現在の会社に至る。転職活動で100回以上の面接を受けており、その経験から悔いのない面接の在り方を研究。また、周囲の転職経験者へのヒアリングや複数のエージェント、ヘッドハンターとのコミュニケーションにより転職市場動向や面接のコツなどを徹底分析。なお、キャリア採用のマネージャーも務め100人以上の希望者と面接を実施しており、採用者側、求職者側両面からの多角的な解説を行っている。CFP認定者

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